迷夢

白い脚が追いかけてくる。私はいつも逃げている。逃げているといつの間にか部屋のベッドにいる。目を閉じると星が流れる。4月15日。キーボードがピカピカと12回光る。なにもかも、ひとつひとつが宝物だったあの頃を思い出す。こどものころ集めた貝殻とかイルカとか魚のかたちの透明なおもちゃが懐かしい。指輪が回ってダイヤが内側にくる。髪の毛が乾かせない。地図から実家が消えた。だれも私より先に寝ないで。喋り続けて。