愛の暗流
情報とすらいえないくそみたいななにかに
なにも頭に残らない光の明滅のために
何時間も費やし、そして私は毎日言葉を失っていることに気づく
ことばが出てこない
思い出したってすぐ忘れる
奪われている
知りたくない見たくもない、
勝手に目に入る下品なそれらは暴力で
頭を殴られ、脳をいじられ、
いちばん無防備で新鮮な心を、いとも簡単に腐らせた
おまえが真っ先に人を殺すところを見た
人を刺したナイフでおまえはケーキを切り分けて、
こともなげにパーティーを開く
おまえは招待状の送り先を間違えた
人殺しのパーティーで人殺しの歌をきく
人殺しのおまえは気持ちよさそうで、馬鹿みたいだ
声を返せよ
無邪気なだけのあの子の叫びを返せ
生まれ変わっても腐る速度に追いつかれる
おまえを許さないから
めざわりな黄金の朝が、
お母さんみたいに微笑んでいる
はね返せない圧倒的な愛は
愛はなぜそこにあるのか
こんなちいさなゴミなんか気にしませんよと
飲まれて溶け込んだまま溺れている
死に損なった105人の私
106回目の夜がきた
心臓か滝か海
水の動きが止まるまでわたしはじっとしていた
あの子に嫌われてるかもとか
わたしのこと笑ってるかもとか
気のせいだったらいいと思うことは
だいたい本当のことだと気づいた
小学生のころの話を何度も繰り返す
もうなにもやり直せないんだと確信していた
それからたしかに時間が解決してくれて
なんとなく乗り越えた気になって生きている
金魚が逃げたんだと思うことにした
憎しみに変わる前にごまかせてよかった
でもわたしは憎まれているかもしれない
一緒に帰ろうと誘われたのに
恥ずかしくてそっけなくしたのを一生悔やんでいる
選んでくれなくていいとつぶやきながら
選択肢にすら入っていないことを理解していたし
困らせるために言葉を尖らせて
わたしはわざと意地悪だった
戦いたくない
降参したい
難しい話を聞きたくない
なんにもない街で暮らしたい
生霊になってみたい
どうやって死んだらいいんだろう
余計なことを言う人が多すぎる
イライラしてかさぶたを全部はがした
我慢すれば戦争は起きないのに
人が死んで喧嘩がはじまるのを見て
わたしは全員にいままでありがとうと言ってから死のうと思った
そして水が跳ねた
何を見ても何かを思い出したい
外で鐘の音が聞こえた
嫌な予感がした
すぐに雨の音になった
間違えると泣きたくなるのだけど
涙が出るのは人間の証
爪の傷が移動しているのに気付いて
わたしって人間だって思った
悲しみが途切れたときは笑ってもいいですか
笑顔がじょうずになりたい
わたしは炭酸がはじけ終わるのを待った
一緒にいるのに胸が痛い
現実よりも画質が良い思い出
正夢ってどういう仕組みなの
つばを飲む音が聞きたい
息を吸ったら好きと言う準備の合図なんですよ
…好きって3回くらい言っちゃった
なんか心残りみたいなものがなくなってしまったな
ばかになったみたい
わたしの痕跡が残るのが嫌だったけど
ふたりで撮った写真はどこかに隠しておいてほしいなと思ってしまう
わたしより難しい言葉を使うあの子が嫌いだった
何て言おうか3日くらい考えて
結局ぜんぶ諦めた
つまらないやつだとばれるのが怖い
何も言えない
映画を見た
でもわたしの人生じゃないんだよね
放っておけば治るのに瘡蓋を無理にはがして
それで生きる意味を作るみたいな
小さい遠回りを重ねたら
いつか人よりいい人生だったと言って死ねるかしら
ゴミ箱を蹴とばすのって楽しいのかしら
静かな森で3時間くらいぼーっとしたい
となりに好きな人がいてほしい
たぶん一言も話さなくても
一生の思い出になるんだろうなあ
微醺
ぴったり張り付いたTシャツが鬱陶しい
好きな曲を聞いてもうんざりする
でも、水平線に街が溶けていた
そのまろやかな境界から目が離せなかった
飛行機が止まって見えた
コオロギを狙うカメレオンにでもなった気分だった
地球を手に入れたいなあと思っていたら
帰りに地球より大きいひとを見かけた
心臓があつくて
めぐる血液が身体を火照らせる
つま先から頭のてっぺんまで痺れる
このまま死ぬならそれもいいかなと思いそうになる
水面から顔を出して冷たい空気を吸い込む
気持ちいいのに苦しい
生きたがっているのだった
気持ち悪いほどに
汗が混じって私の体は甘くなった
いま自分の身に起きている出来事なのに
私はドラマを見ているみたいな気持ちだった
あなたの秘密をひとつ知ったけれど
あなたは私の秘密なんか知りたがらなかった
やだなあ
最高なんて軽々しく言わないで…
思い出っていつかは消えちゃうのにね
だからまた遊ぼうね
仕事をしていてよかったわ
女の子だと思ってほしくて日傘を買いました
いつも日焼け止めなんか塗ったりしないのに
そしたら当日は雨が降ったんです
髪の毛をきれいにセットしたのに
1か月前からシャンプーも変えたのに
違うんです
私がどんどんわがままになるのは
ただ自分で自分を愛せないだけで
自分の機嫌は自分でとりなさいって
よくママにも叱られたな
まだ秘密ばかりで謎めいていて
健気についていくだけの私は
今よりもかわいかったですか
日に日に醜い心が育つのが悲しかったけれど
でも水をくれたのは貴方です
溢れて蓋もできなくなったのに
いまさら八分目で我慢できる自信がなくて
どうしたら私は…
ちゃんと満ち足りた顔で笑えていたかを
貴方の記憶のなかの私がうまく演じられていたことを
今はただ願うことしかできずにいます
どこが好きなのって聞かれたとき
答えられなくてごめんなさい
だってあまりに残酷だから
殺す気なのかって思いました
私はAIじゃないからたくさん感情があるんですよ
本気で答えるならこうやってまた1,000字の文章を送り付けることだってできるんです
怖いですか
やめてほしいですか
そんなことなんかより
いつもの私と違うところに気づきましたか
見ていてくれましたか
結構勇気がいりました
私に興味がない貴方を好きになったはずなのに
視線をそらされた3秒間
正気を保つのに必死でした
この腕を引きちぎってやろうかと思いました
約束守るの偉いですね
私はすぐ忘れたふりします
聞こえなかったふりも得意です
その血管に私の血を流したいな
私の血で生きる貴方をちょっと想像してみてもいいですか
浮かれすぎかなって思ったんです
こっちこそ興味ないふりしようって
そっけないふりしようって思ってたんです
でもそんなことがどうでもよくなるくらい嬉しかったんです
こんな気持ちになったことありますか
今ここで死んでもいいですか
悲しんでもらえますか
貴方の人生に私は必要でしたか
目を瞑る貴方の腕をなぞりながら
私はこんなにも不純な気持ちでいっぱいです
ぜんぜん優しくなかったな
なにひとつとして声にならなかったのに
そんな私の声を貴方は褒めてくれた
なんだっけ、なんだっけ
もう人のために化粧品を選んだりしなくていいんだ
靴下もださくていいし
くせ毛を隠すために早起きしたりしなくていいし…
すみません、これが最大限です
私はここでだけひっそりと生きていられるお姫様です
痛みって壊れる前に感じられるようにできていてすごいですよね
ひとつだけもらった目に見えないしるしを生きる糧にします
少し狂信的でした
でも信頼関係ってそうじゃないって
信じることがほかのすべてを諦めることじゃないって
教えてくれてありがとうございました
おかげで穴が開きました
溜まりすぎた水が抜けて全部ちょうどよくなる気がします
私はもう水やりなんか手伝いません
もしも干乾びそうになったら言ってください
めざまし
ああ
どうせ手をつないだままで朝が来る
きょうの晩ごはんは焼きそばでもいいかなと考える
足の指の爪がぜんぶ剝がれちゃっていました
歩いたんだよ遠くまで
茂みの虫とか歩道の狭さとかにおびえながら
機関車みたいな自転車、何考えてる?
何万人もの人が通った道を、初めて通る人類みたいな顔して歩くのが大好きだよ
なんにも気にせず大きなあくびをするくらいにひと気のない駅のホーム
わたしはコンビニで買ったチャーシューを食べている
鹿がこっちを見ている
死を覚悟した鹿は敵から目をそらさないんだって
ぜんぜんにおいしないねってムキになっちゃった
でもおんなじだよね
5万円の香水がさ、わかんないんじゃ
え?うそでしょ?
充電が切れた
でも今ならできる気がするよ、逝ったふり
地下にある本屋さんが好きだった
そのあとにね、どんな便箋で手紙を書くか考えるんだ
それはずるいよってきみは言った
じゃあ、知らなければよかった?
ピンク色の布の結び目の、ちょうど絞りきられた心臓みたいなかたまりの
後悔とか憎しみとか、感じたことのなさそうな
いつもわたしは能天気だと思っていたでしょう
チョークのけずれる音を思い出した
先生が授業のたびすり減らす、チョークの行方を、わたしは追いかけた
追いつかないものだとわかっていても、わたしだけのものにしたかった
ほんとうの正解を死者に問いただせないのだから、わたしたちは、また幸福を想像するのでした
気がついたら、犬がうさぎを撫でているGIF画像を30分も黙って見つめていたんです
どれだけ弱っていても、かばってくれる人がいままで現れなかった
お母さんはわたしみいたいな女が大嫌いなんだって
わたしが死にかけてたって、浪人生の味方をしたから
マニキュアが綺麗でも、わたしの爪にのせた瞬間から輝きをうしなっていた
先生が見せてくれた夕日は、何年経っても眩しくて目が開けられない
この頃、夢と現実をよく間違える
ねえねえ、なんか若返ったね
大丈夫、だいたい気のせいだからね
不快な気持ちを共有してるときって特別な時間だと思います
いいよなきれいな女の子は
なんにもわからないんだよな
褒められてありがとうと言えるようになったのだってつい最近だし
手持ち無沙汰で手をごにょごにょやる癖だって、たぶんだれにも気づかれなかった
本棚を見せ合いたいな
きっと裸を見せ合うより恥ずかしい
だれでもいいことなんかひとつもなくて、運命ってしつこいから
信じてもらえなかったあの一瞬で、わたしの5年間は消えたよ
まぶたが重いな
この話はこのへんにしとこう
真っ直ぐ蛇行
やっぱり気づくと黒い服ばっかり増えていく。
たまにピンクのワンピースを着てそれが似合っていたりしてなんかとにかく嬉しい。
なんでもいいから誰かを信じていたいけど、裏切られるのも生きてる証って思う。
「バカみたい」は照れ隠しだったんだけど、でも本当にバカみたいだよ。
誰からも理解されていることがすぐれているということなら、私はいつまでも不良でいたい。
置いて行かれたくなくて数字を必死で覚えたんだ。
レシートとか吸い殻とか全部ほしいです。
心の傷も写真にうつればいいのになあ。
トイレから帰ってきてもいなくならないでね。
また連れてってよ、もう泣かないからさ。
私、あそこに行きたいんだ。
ほら、犬が店番やってるタバコ屋…。
とにかく遠くに行きたいよ。
信じてもらえなくてもよかった。
これ以上失うものはないから。
どうか勘違いしたままでいて。
私だけが答えを知っているその誤解を、我が子のように見守り続けたい。
大きくなってどうしようもなくなったとき、見殺しにしたい。
騙し絵の中の住人は、自分が騙されていることに気が付けない。
自分のついた嘘すら忘れてしまうかわいそうなひと。
ひとりじゃ別人になれないよ。
いっしょに死のうよって何度もお願いしたのにね。
でも無視してくれてありがとう。
許せないけど、許してね。
許していたら断る権利がないからね。
たぶん私はもう憎むことをやめられない。
星は守り神なんかじゃないのよ。
人生つまらんから遺書を書いた。
伝わる?