心臓か滝か海

水の動きが止まるまでわたしはじっとしていた
あの子に嫌われてるかもとか
わたしのこと笑ってるかもとか
気のせいだったらいいと思うことは
だいたい本当のことだと気づいた
小学生のころの話を何度も繰り返す

もうなにもやり直せないんだと確信していた
それからたしかに時間が解決してくれて
なんとなく乗り越えた気になって生きている
金魚が逃げたんだと思うことにした
憎しみに変わる前にごまかせてよかった
でもわたしは憎まれているかもしれない

一緒に帰ろうと誘われたのに
恥ずかしくてそっけなくしたのを一生悔やんでいる
選んでくれなくていいとつぶやきながら
選択肢にすら入っていないことを理解していたし
困らせるために言葉を尖らせて
わたしはわざと意地悪だった

戦いたくない
降参したい
難しい話を聞きたくない
なんにもない街で暮らしたい
生霊になってみたい
どうやって死んだらいいんだろう

余計なことを言う人が多すぎる
イライラしてかさぶたを全部はがした
我慢すれば戦争は起きないのに
人が死んで喧嘩がはじまるのを見て
わたしは全員にいままでありがとうと言ってから死のうと思った
そして水が跳ねた