上から見た紡錘形

メールのアカウントのパスワードを忘れたり、
写真を消す勇気とか。
そういうのも成長って言ってもいいかなあ。
嘘をついていますと打ち明けること。
早歩きの帰り道。
全部正解だよ。
好きな人に好きだと言えて偉かったね。
壁にあいた画鋲の穴を探すみたいな、
ほんとうに性格の悪い荒探しばかりしてしまう。
太陽の光だけで生きられたら素敵なのに。
たぶん、もっと自信が持てるのに。
時間とか日付とか年齢とか、数字の流れにはうんざりする。
なんかそういうのじゃなくて、
もっとてきとうに過ごしていくのは、駄目なんですか。
じっさい私ってけっこうてきとうに生きていて、
一度開けたクッキーの袋を髪ゴムでとめたり、
輪ゴムで髪を結わえたりする。
取り乱していてもあなたはあなたのままだよ。
あの人のパーマ頭が嫌いとか、
駐車場の砂利が嫌いとか、
キャッシュカードの色が嫌いとか。
またきょうも死ぬほどどうでもいい嫌いを集めて勝手に泣きそうになっている。
でも、ゆびわをなくしても泣かなかったね。
明日またあそぼうねと言って、ほんとにあそんでくれる人。
白いパーカーのミートソースの染みを、思い出と呼ぶ人。
いつになっても私には笑顔が似合わないけど、
べつにもう笑えなくてもいいかもと思えてきた。
それは諦めというよりは、前向きな、ちいさな決意。
たばこでも吸おう。
となりにいることを、どうか許してください。