突然起きてクッキーを食べた。
たしか午前1時半頃に目が覚めてしまった。
スマートフォンの画面に細かい虫がたかっている。多分それは暗い部屋の中で唯一光を放っているからだ。虫の生態に詳しいわけでないからあくまで推測にすぎない。
クッキーはいつからそこにあったものか特定できないけれど、私が4日前にここに来たときにはすでに封が開いていたのは確かである。ゆえに湿気ているし練りこまれたチョコレートのかけらは溶けてだらしなく伸びているのだ、きっと。きっとというのは部屋は暗いままなので目視でよく確認した訳ではないからである。
はっきりしない要素の集合体みたいな空間で、はっきり言ってまずいクッキーを無言で咀嚼しては飲み込んだ。
2枚めに手を付けようとしたところで、そもそもクッキーを食べようとした理由も分からないことに気づいた。
確かに眠くて眠っていたのに、2時間ほどで目が覚める自分の身体の仕組みも、私には分からない。