公園の花壇だけは守りたい

4月8日の天気予報は降水確率10%だったが、18時30分頃、私たちは一時的な雷雨に見舞われた。雨宿りがてら飛び込んだ居酒屋で、女性店員は「あと3杯飲んだら雨あがるよ」と言っていた。本当にそんな気がしたから不思議だ。私たちはチューハイと水の違いもわからずに飲みまくった。
閉店時間になり店を出る。たしかに、すでに雨はやんでいた。パリの街並みは石造りで、気を抜くと歩道の石畳の凹凸に躓きそうになる。夜の暗さと水たまりが溶け合ってその境界がわからない。私はうっかり靴を濡らしてしまった。酔っ払いは特に足元に注意しなければならない。アレクサンドル3世橋を歩きながら、セーヌ川を見下ろす。淀川の100倍汚いなと思った。
「見て、うしろ。エッフェル塔
そう言われて振り返ると、ビルから人が飛び降りるのが見えた。