2021-01-01から1年間の記事一覧

メモ

冷凍したブロッコリー4月4日が消費期限の牛乳ブランドのショップバッグ書き損じた履歴書腐った花束編み物セット切れないカミソリ一度も読んでいない本マニキュアの小瓶お菓子の空き箱10年間使った財布

お姫様になりたい

全身鏡に映る部屋が妙に白々しく感じた。積み上げられた段ボールや服の山を、他人事のように眺めた。今まで、いろいろなものをよく見すぎていた。なにひとつ見落としてはいけないような気がしていた。取り返しのつかないことが起こる前に、何かが食い違って…

人って成長しなきゃいけないの?

きょうは知らない街に遊びに行く。2021年4月2日が金曜日でよかった。金曜日が大好きだから。久しぶりに出かけるので、浮かれて髪を巻いた。去年の自分と比べて成長したことといえば、髪の巻き方が上達したということくらいだ。時が経つのが早すぎて、生きる…

部屋とTシャツと私

9:35。静かな朝だった。寝巻のバンドTシャツ1枚だと、部屋の中でもまだひんやりとする。買ったばかりのティファールのポットでお湯を沸かす。この首元が伸びきったTシャツはなんだかんだでもう7年くらい着ている。Tシャツを買うためにライブの物販に並んで…

日本人の情緒

桜の開花期間の短さには毎年驚かされる。マフラーをしまうタイミングにはもう咲いている。コートをクリーニングに出すと同時に満開だ。とはいえまだ肌寒いんだけどなと思っていると、すでに散り始めている。いつお花見をすればいいんだ。毎年同じことを思っ…

仙台浪漫 第三章 抹茶ラテの緑

南さんと付き合うことになり、数々のデートをした。(南さんとのデートは、毎回思わず人に話したくなるような予想外の出来事が起こるのだが、その“数々のエピソード”はまた別の機会に紹介したいと思う。)それから早いもので4か月が経った。その日、学校帰り…

仙台浪漫 第二章 loftの階段

南さん。下の名前はなぜか教えてもらえなかったので苗字で呼んでいた。東北大学の工学部に通っているらしい。学年も歳も聞かなかったが、就活中だという話を聞いたのでおそらく22歳とか、そこら辺だったと思う。弾き語りを聴いていたとき、隣にいた南さんに…

仙台浪漫 第一章 アニメイトの袋

仙台を語るにあたって、駅前の“ペデストリアンデッキ”は欠かすことのできない存在だ。仙台駅西口に広がる大規模なデッキのことで、バスプール、タクシー乗り場、オフィスビル、商業施設、商店街のアーケードなどに直結する通路である。仙台の人間はペデスト…