愛の暗流

情報とすらいえないくそみたいななにかになにも頭に残らない光の明滅のために何時間も費やし、そして私は毎日言葉を失っていることに気づくことばが出てこない思い出したってすぐ忘れる奪われている知りたくない見たくもない、勝手に目に入る下品なそれらは…

心臓か滝か海

水の動きが止まるまでわたしはじっとしていたあの子に嫌われてるかもとかわたしのこと笑ってるかもとか気のせいだったらいいと思うことはだいたい本当のことだと気づいた小学生のころの話を何度も繰り返す もうなにもやり直せないんだと確信していたそれから…

何を見ても何かを思い出したい

外で鐘の音が聞こえた嫌な予感がしたすぐに雨の音になった間違えると泣きたくなるのだけど涙が出るのは人間の証爪の傷が移動しているのに気付いてわたしって人間だって思った 悲しみが途切れたときは笑ってもいいですか笑顔がじょうずになりたいわたしは炭酸…

微醺

ぴったり張り付いたTシャツが鬱陶しい好きな曲を聞いてもうんざりするでも、水平線に街が溶けていたそのまろやかな境界から目が離せなかった 飛行機が止まって見えたコオロギを狙うカメレオンにでもなった気分だった地球を手に入れたいなあと思っていたら帰…

仕事をしていてよかったわ

女の子だと思ってほしくて日傘を買いましたいつも日焼け止めなんか塗ったりしないのにそしたら当日は雨が降ったんです髪の毛をきれいにセットしたのに1か月前からシャンプーも変えたのに違うんです私がどんどんわがままになるのはただ自分で自分を愛せないだ…

めざまし

ああどうせ手をつないだままで朝が来るきょうの晩ごはんは焼きそばでもいいかなと考える足の指の爪がぜんぶ剝がれちゃっていました歩いたんだよ遠くまで茂みの虫とか歩道の狭さとかにおびえながら機関車みたいな自転車、何考えてる?何万人もの人が通った道…

真っ直ぐ蛇行

やっぱり気づくと黒い服ばっかり増えていく。たまにピンクのワンピースを着てそれが似合っていたりしてなんかとにかく嬉しい。なんでもいいから誰かを信じていたいけど、裏切られるのも生きてる証って思う。「バカみたい」は照れ隠しだったんだけど、でも本…

潮時

約束に遅刻するほど化粧に時間をかけるくせに、雑に呼び出されて、また汗だくのままファミレスに向かう。ああこの人の記憶のなかのわたしは、仕事終わりでぐちゃぐちゃの顔ばかりなんだろうなと思ったら情けなくて涙がにじんできた。お腹がすいているふりを…

糞度胸

両膝にでかい痣ができても、だれにも見てもらえない七色の光で体を洗ったなにも考えたくないな、水平線いまだけ私を地球上から見逃していて半袖が怖くなくなったけど、静かな朝が怖いこわくて、触れることができないしあわせだと伝えそこねただれのせいでも…

悪手と握手

ケチャップで書いたLOVEと缶ビールが生きる意味わだかまりを集めては、自分の存在意義を確かめるふと思った、なにも続ける必要はないのだと52時間眠らなかった眠れなかったずっとあの日を繰り返したかったいつか死ぬために生活を続けているかわいい私をどう…

ジギタリス

後悔をしたり母のことを考えたりするのっていつまで許される行為なんだろう誰の話も聞きたくないと思いながら、気づけば人の真似ばかりして生きてるいいんだよそれはほんとうは肯定ではなく、単なる諦めだったこだわりなんかないのに、机の上のコースターの…

上から見た紡錘形

メールのアカウントのパスワードを忘れたり、写真を消す勇気とか。そういうのも成長って言ってもいいかなあ。嘘をついていますと打ち明けること。早歩きの帰り道。全部正解だよ。好きな人に好きだと言えて偉かったね。壁にあいた画鋲の穴を探すみたいな、ほ…

平生

枕元に落ちている黒い糸くずにドキッとしたり、鏡が私を守ると信じてみたり。ゴミ箱いっぱいの髪の毛と、黄色の付箋紙。コップの水に埃が浮かんでいる。午前4時頃、カーテンの隙間から外を見る。風が、空が、しずかに朝の準備をしているこの時間が嫌いだ。…

どうするの

私たちは無力ですステンレスの中でしずかに炭酸がはじける音を黙って聞いているのですベランダで鳥が喧嘩しているのを見守ります西日で葉脈を透かします溶けた雪がアスファルトに染みをつくりました赤く焼けた空を見ると、人間ができることなどもう何もない…

ブルーハワイの余情

花火をする前の虫よけスプレーのにおいに咽せる。火種がバケツの水に落ちる瞬間、身構えて息を止める。 200円を握りしめてかき氷屋さんを探した。食べ終わった後のストローを噛んで、プラスチックを味わう。 ラジオ体操すら上手に見られたい。でも、誰とも話…

残された時間は少ないということを理解しているか

河川敷を走りたい虫網を持って走りたい草むらの青臭さと川の生臭さをめいいっぱい吸い込んだけがれなき純粋な吐息川の流れる音が突然止んだその瞬間私は取り残される夏は駆け足で過ぎ去り罰が手招きしているコンビニで買う500mlの水をいつも飲み切れない指輪…

目を閉じて遡る思い出はあんなにも鮮やか

お酒は我慢できないしネットには加工した顔写真しか載せられないしうまく眠れなくて朝5時になり毎日へんな夢を見る 料理はがんばるけれど洗い物はできないお風呂は洗うけど洗濯物は干せないお寿司は大好きだけどわさびが食べられない 大きなモニタの中央に長…

おうちじかん

入浴するのが好きではない 服を脱ぐのが面倒くさい 体が濡れるのが面倒くさい 髪を洗うのが面倒くさい けれど、休みの日に2時間くらいかけてお風呂に入るのが好きだ 設定温度は44度 高温で20分以上浸かるのは心臓に負担がかかるからよくないとネットの記事に…

少女よバカであれ

なんで大人になったら純粋に友達と遊べないんだろう。家で一緒にゲームするとか、マンガ読みながらだらだらするとか、一緒におやつ食べるとか。川で遊ぶとか。シャボン玉とか。野良猫を追いかけるとか。いや、正直に言うと、こどもの頃に友達とそういう遊び…

エコーをかけて愛を叫びたい

同じ道を歩いてきたはずなのに、きょうはなぜかうまくたどり着けなかった。きのうはすんなり帰れたのに。でも、もはやそんなことは問題ではない。黒い服が大好きで、とくに気に入っている黒いワンピースを着て夜道を歩いた。今なら何が起きても私がこの世界…

溢れた水が宝石で

私だって宗教を作りたかった 私だって神になりたかった 白い布から透けて見える肌は一体なに色と言ったらいいのか しばらく私の憧れでいてください 憧れをやめないでください 4月28日のあたたかい雨が私を傷つけた

時限

海の真ん中で、上を向いて水面から顔だけを出して漂っている。呼吸はなんとかできる。でも少しでも顔をそらすと水を飲みこんでしまう。海水が目に沁みる。進む方向がわからず、確認することもできず、ずっと漂っている。漂い続けてどれくらいの時間が経った…

私ってだれ

冷蔵庫の中のレモンサワーが私の残機みたいだった。またきょうも1機減っていく。お酒を飲んだら気持ち悪くなって、ついに体がアルコールを受け付けなくなってしまったのかと憂慮したが、それはただ単に胃に何も入れない状態で飲酒したからかもしれない。飲み…

そういえば小学生のころ急に「カオス」という言葉が流行った

ネットで買い物をしすぎてやべーと思って口座残高を確認したら、辞めた会社からお金が振り込まれていてラッキーと思った。そしてアマゾンでグミを箱買いした。頑張るか、いろいろ。脳がうまく動いていない。なんでそう思うんだろう。毎日なにもしていないか…

乾ききった体に、心に、麦茶

新しいネイルが高かったのにダサい相変わらず額の乾燥がひどい見たい配信が多すぎるしばらくカラオケに行けなくなる外でお酒が飲めなくなるまた不味い梅水晶を頼んだチーズが飲み込めなかった友達を励まそうとして余計なことをしたでもなぜか人間っていいな…

嫌嫌

5時に寝た。14時に起きた。スマホで日付を確認する。4月22日。ベッドに寝っ転がったまま顔だけを動かす。死ぬ気で組み立てたニトリのベッド。いつも通りの見慣れた景色だ。きょうは特に予定がない。天井を見つめながら、さてどうしようかなと考える。すると…

星は見えないけれど

ひとの足跡がハートマークだったらいいのになと思った。地球がすぐに愛でいっぱいになる。深夜に散歩をしていた。誰もいない公園の滑り台のてっぺんにひとり座る。日中は4月とは思えないほどに気温が上がった。火照った遊具たちをそっと冷ますかのように、風…

表紙は鬱金色

起きたら12時でもうだめだと思った。図書館からメールが来ていたのを思い出した。予約した本の取り置き期限がきょうまでだった気がしたが、メールを確認してみると、その期日は明日だった。ついでに図書館のホームページにログインし、借りている本の状況一…

和解

令和3年4月19日のカレンダーに“20時~〇〇ライブ”と書き込む。ほとんど流れ作業でレモンサワーの栓を開ける。最近は飲酒するとすぐ顔が赤くなるなあと悩んでいたが、どうやら生理周期の問題だったようだ。絶好調の私は、3日分と見込んで買ってきた缶チューハ…

具合が悪いので保健室に行ってもいいですか

この生活にはなかなか慣れない。生きるには働かなければならないという常識にとらわれていた。「辞めても生きていていいんだ」という考えにはいまだに切り替わらず、毎日を無駄に消費しているだけの自分に情けなくなる一方である。社会の歯車であることが誇…